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『氷菓』の原作小説『<古典部>シリーズ』6作品+αを大紹介!

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こんばんは、いちあき(@ichiaki_kazu)です。

11/3に『氷菓』の実写映画が放映されました。そのついでというわけではありませんが、僕の好きな『氷菓』の原作小説である『<古典部>シリーズ』全作品を紹介していきます。

 

「実写映画見たけど、他の話はどんなの?」という方でも安心して見れるように、極力ネタバレが無いよう配慮してお伝えしていきますね。

 

 

『<古典部>シリーズ』とは

『氷菓』をシリーズ第1弾として、省エネ人間の「折木奉太郎」を主人公に、「千反田える」「福部里志」「伊原摩耶花」の4人が活動する「古典部」が学校生活の謎に挑む物語です。

ジャンルはミステリーですが、人の死なない「日常の謎」に分類されます。

日常生活の中にあるふとした謎、そしてそれが解明される過程を扱った小説作品を指す。対象はそもそも犯罪ですらないものが殆どであり、せいぜい軽犯罪であるが、殺人に劣らないほど厳密なロジックで解き明かしていくものが多いため、多くは本格推理小説に分類される。(引用:Wikipedia

「冷蔵庫にあったプリンがなくなっている!誰が食べたんだ!」というような日常の中で生じる疑問をミステリーとしたものが「日常の謎」というジャンルです。

アニメ化もされるほど魅力的なキャラクターたちや、読み終わった後の何とも言えないビターな後味が『<古典部>シリーズ』の魅力ですね。

 

『<古典部>シリーズ』はどれだけあるの?

いわゆる<古典部>シリーズとは『氷菓』から始まる6作品(2017年11月時点)の小説を指します。全てが長編作品というわけではなく短編集も含んでいます。

短編集でも時系列はどこかでつながっており、登場人物のの心情の変化を捉えるためには必読です。ちなみに現在刊行されている作品は以下の通り。

・氷菓
・愚者のエンドロール
・クドリャフカの順番
・遠まわりする雛(短編集)
・ふたりの距離の概算
・いまさら翼といわれても(短編集)

シリーズ第1弾の『氷菓』の小説が刊行されたのが2001年、最新刊の『いまさら翼といわれても』は2016年です。すでに15年以上経過している息の長い作品です。

 

『氷菓』ブームのきっかけはアニメ化

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出典:dアニメストア

ブームのきっかけは『京都アニメーション』による2012年頃のアニメ化です。

原作小説では挿絵などもなかったため、アニメで初めてキャラクターデザインが行われました。中でもヒロインである「千反田える」は「えるたそ~」の愛称で一躍有名になりましたね。

ちなみにアニメでは第1弾『氷菓』から第4弾『遠まわりする雛』まで描かれています。

僕も全部見たのですが、なかなかクオリティが高く原作ファンでも楽しめる作品でした!

ちなみにコミック版もありますが、こちらはまだ読めていません。

 

『<古典部>シリーズ』原作小説の解説

1,『氷菓』【英題:You can't escape(あなたは逃れられない)】

何事にも積極的に関わろうとしない「省エネ主義」を信条とする神山高校1年生の折木奉太郎は、姉・供恵からの勧めで古典部に入部する。しかし、古典部には同じ1年生の千反田えるも「一身上の都合」で入部していた。奉太郎とは腐れ縁の福部里志も古典部の一員となり、活動目的が不明なまま古典部は復活する。そして、えるの強烈な好奇心を発端として、奉太郎は日常の中に潜む様々な謎を解き明かしていく。(引用:Wikipedia)

『<古典部>シリーズ』第1弾にして代表作品ですね。

あらすじが見たい方はWikipediaがマジでおすすめ。全部書いてるのが凄いです。

 

省エネ人間『折木奉太郎』が姉の勧めで廃部寸前の古典部に入部するところから物語は始まります。そこに何でも気になる人間である『千反田える』まで入部してきて、謎解きばかりさせられることに。

最初は部室に来ていた「千反田える」がいつの間にか閉じ込められてた件から開始。ぶっちゃけどうでもいいですね!

 

しかし、えるは一度気になったことは「わたし、気になります!」と言えば誰かが解決してくれると信じているのか、解決するまで動かない性格です。

そんな彼女に奉太郎や古典部の部員たちも振り回されながら話が進みます。

 

メインのお話は古典部の伝統である『氷菓』という文集。

えるは過去に「伯父に何かを聞かされて、恐ろしくて泣いてしまった」ということが気になり、真相を探ります。真相を探る中で失踪中の伯父『関谷純』が文集『氷菓』と関係していることがわかります。

 

『氷菓』の真相が明らかになった時、そこに隠された悲痛な叫びが伝わり、なんともビターな気持ちになります

 

話が淡々と進むため、読書に慣れていない人でも数時間で読み終えることができるので最初の1冊におすすめです。

ちなみにKindleだと(おそらく)期間限定で半額以下の235円!

せっかくの原作小説なのでぜひ1度読んでみてはいかがでしょうか。

 

2.『愚者のエンドロール』【英題:Why didn't she ask EBA?(なぜ江波に頼まなかったのか?)】

高校1年目の夏休みの終盤、古典部の面々は、2年F組の生徒が文化祭の出展に向けて自主制作したというミステリー映画の試写会へと招かれる。しかしその映画は、脚本家の体調不良で話が進まなくなってしまったことで、事件の結末が描かれないまま尻切れトンボで終っていた。古典部は2年F組の入須冬実から、映画の犯人役を探し当てる「探偵役」を依頼される。映画の結末が気になるえるの一言で、古典部はオブザーバーとして、2年F組から志願した3人の「探偵役」の推理を検証していくことになる。最初は乗り気ではなかった奉太郎だが、入須に自身の資質を認められ本格的に推理に乗り出した。しかし推理の末に奉太郎は、映画の犯人探しに隠された本当の狙いに気付いていく。(引用:Wikipedia)

『<古典部>シリーズ』第2弾。個人的にかなり好きな作品。

簡単に言うと自主制作映画の脚本を想像させられる物語です。めっちゃ斬新じゃないですか?僕の好きな展開に「本筋」が明らかになってからの「真実」というのがあるのですが、『愚者のエンドロール』はまさしく対象作品でした。

 

奉太郎はなぜ「探偵役」を依頼されたのか。

当作品の中で全体的にに浮足立っている奉太郎を合わせて考えると、かなり胸を抉られるような気持ちになりました。

こういう終わり方があるから『氷菓』を始めとした『<古典部>シリーズ』好きなんですよ。高校生らしい思春期特有の青春物語を楽しむことができます!

 

kindleだと半額とはいかないものの約30%引きの389円です。

実写映画『氷菓』の続きを知りたい方はまず『愚者のエンドロール』から買うのもおすすめ!

 

3.『クドリャフカの順番』【英題:Welcome to KANYA FESTA!(カンヤ祭へようこそ!)】

神山高校の年間最大イベントである文化祭が始まった。しかし古典部は手違いで、出品する文集『氷菓』を大量に作りすぎてしまった。文集を売るため方々に奔走するえる、文化祭を思う存分楽しみながら文集を宣伝する里志、大量発注に責任を感じながらも兼部する漫画研究会のギスギスした雰囲気に苛まれる摩耶花、静かに店番をする奉太郎。古典部員は大量の在庫に頭を抱えつつも、文化祭は進んでいく。
そんな中、校内では「十文字」と称する何者かが犯行声明を残して各部活から物品を盗んでいく、奇妙な連続盗難事件が起きていた。古典部は、この事件の最後のターゲットが古典部であるとPRすることによって部の知名度を上げて文集を完売させることを目指すが、その中、奉太郎は偶然入手した手がかりから「十文字」事件の謎に迫っていく。(引用:Wikipedia)

『<古典部>シリーズ』第3弾。

『クドリャフカの順番』は『氷菓』を多売しようと駆け巡る『千反田える』や漫画研究会にも所属している『伊原摩耶花』のいざこざなどそれぞれの物語が描かれます。

 

各登場人物たちの物語が文化祭で発生する『十文字事件』によって収束していく様が面白いです。

 

英題からもお祭り感が出ているように、全体的に文化祭の雰囲気がよく出ています。
こんな青春を送ってみたかったと思うかもしれませんね!

『<古典部>シリーズ』の中では比較的あとに引きずらないサッパリとした読了感でした。

kindleだと約200円引きの464円です。

ちなみに『<古典部>シリーズ』長編のアニメ化は2017年時点でここまでです。

 

4.『遠まわりする雛』【英題:Little birds can remember(雛は忘れない)】

古典部の高校1年1学期から春休みまでの1年間の出来事が描かれており、前作までは学内を舞台としていたが、本作では学園の外にまで活躍の幅を広げている。(引用:Wikipedia)

『<古典部>シリーズ』第4弾。全7編による初の短編集です。

タイトルの『遠まわりする雛』は7つ目の物語です。ちなみにアニメ最終回でした。

 

『遠まわりする雛』では奉太郎とえるの今後や距離感が感じられる物語になっており、なんともむず痒い感じにさせられます。

当時は当作品以降3年間新刊が刊行されなかったので、なおさら「続きはよ!!!」という気分にさせられました。

 

おすすめは『心当たりのある者は』です。

11月1日、奉太郎とえる2人だけの部室内で、えるから様々な謎を解き明かした推理力を称賛された奉太郎。えるの評価を心外に思う奉太郎は、その見解を覆すため、一つの状況に簡単に推論をつけられるか検証をするゲームをすることを提案する。その矢先、教頭の柴崎が10月31日に文具店「巧文堂」で買い物をした心あたりのあるものを職員室に呼びつける校内放送が流れ、奉太郎とえるは校内放送が行われた意図を推理することに。しかし、奉太郎の推理は思わぬ不穏な事態へと導かれていく。(引用:Wikipedia)

安楽椅子探偵のように、教室から1歩も出ずに物語が進むミステリーです。

「巧文堂で買い物した」という一文からまるで連想ゲームのように推理が進んでいくのが気持ちが良いです。

ちなみに日本推理作家協会賞短編部門の候補作にもなったよう。面白いから納得ですね。アニメ19話でも見れるので、その異様さをぜひ映像でも見てください!

 

kindleでは約200円引きの464円です。

新しくなるにつれて値引率下がってきましたね…仕方ない。

 

5.『ふたりの距離の概算』【英題:It walks by past(過去歩く)】

奉太郎達古典部も2年生に進級してからの5月末、神山高校で20キロメートルを走るマラソン大会、通称「星ヶ谷杯」が開催された。だが、その前日古典部では、新1年生の新入部員・大日向友子が本入部届提出直前となって入部を辞退する事件が起きていた。部室でのえるとのやりとりがきっかけにあるようだが、一緒に部室にいた奉太郎は一部始終を聞いておらず、さらに大日向は部室から去った後、摩耶花にえるは仏みたいな人だというような謎の言葉を残していた。この一件で大日向と向き合う決心をした奉太郎は、入部届締切日である「星ヶ谷杯」の20キロメートルを走る間、これまで大日向と関わってきた出来事を思い出しながら、大日向の心境の変化の理由を探っていく。(引用:Wikipedia)

『<古典部>シリーズ』第5弾。ふたたび長編物語。

ここからアニメでは描かれていないため原作小説だけの話になります。

 

神山高校のマラソン大会を舞台に、新しい登場人物『大日向』の心情を回想で探ります。

心情に近づいていくのに比例してマラソン大会の距離も近づく演出が面白かったです。

また、奉太郎が自らの意思で積極的に動いていくのも印象的な物語です。

 

kindleでは約200円引きの404円で読むことができます。

アニメより一足先にぜひ読んでみてください。

 

6.『いまさら翼といわれても』

2年生の夏休みのある日、伊原から「ちーちゃんの居場所を知らない?」という電話が掛かってくる。市の合唱祭でソロパートを歌うはずだった千反田が、出番が近づいても会場に現われないというのだ。取りあえず現場に向かった折木は、僅かな手がかりから居場所と来ない理由を推理していく。(引用:Wikipedia)

『<古典部>シリーズ』第6弾にして最新刊。全6編からなる短編集です。

全体的に各キャラクターの詳細な心情や考えが描かれています。

 

タイトルの『いまさら翼といわれても』では『千反田える』の葛藤に久しぶりに『氷菓』らしいビターさを感じました。

正直そろそろ1年経ちますが、思い出しただけで胸が少しざわつきます。

人生は自分の思っていたとおりにいかないということですね。

 

僕のおすすめ…というより印象に残った話は奉太郎が主役の『長い休日』です。

ある日、目覚めた奉太郎は、珍しく自分の調子が良いことに気づく。昼食をとり終えた奉太郎は、散歩がてら本を読むために荒楠神社へと向かう。すると、偶然十文字かほと会い「えるもいる」と言われ詰所内のかほの部屋に連れて行かれる。そして、成り行きでえると一緒に神社の清掃を手伝うことになった奉太郎は、そこでえるに、なぜ奉太郎のモットーが「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」となったのか理由を聞かれる。質問を受けた奉太郎は、きっかけとなった小学校の時の出来事を話し始める。(引用:Wikipedia)

省エネ人間『折木奉太郎』がどのようにして「やらなくていいことならやらない。やらなければいけないことなら手短に。」というモットーにたどり着いたのか。そのルーツが描かれています。

「なんだ、そんなこと」と思うか「わかる!」となるか、人によって受け取り方が変わりそうな物語でした。

他人のために頑張ることが必ずとも良い結果を生むわけではない。普段の生活でも疑問に感じられそうですね。

 

現在単行本のみの販売のため、kindleで1,108円となります。それでも約500円引きです。

より深く<古典部>シリーズを知りたいかたは必読ですね。

 

(番外編)『米澤穂信と古典部 「古典部」シリーズ』

ある日、大日向が地学講義室に持ち込んだのは、鏑矢中学校で配られていた「読書感想の例文」という冊子。盛り上がる一同に、奉太郎は気が気でない――。書き下ろし新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」の他、古典部メンバー四人の本棚、著者の仕事場や執筆資料も初公開!『氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。(引用:Amazon)

原作者である米澤穂信さんへのインタビューや書き下ろし短編小説を含んだ解説本です。古典部メンバーの書棚のイメージや米澤穂信さんの仕事現場などが公開されています。

 

B5サイズくらいの中版の書籍ですので、タブレットか紙で読むのがおすすめですね!

本屋さんで少しだけ立ち読みしたのですが、インタビュー部分がボリューミーで読み応えがありそうでした。なので僕はまだ読めていません…

 

どなたかAmazonからプレゼントしてくださると泣いて喜びます!

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まだまだ続く『<古典部>シリーズ』

『氷菓』の原作小説から始まる『<古典部>シリーズ』いかがでしたでしょうか?

アニメ視聴者は『ふたりの距離の概算』から、実写映画視聴者は『クドリャフカの順番』から読み進めると、<古典部>シリーズは網羅できるのでおすすめです。

 

今のところ続刊の予定はありませんが、6年待って最新刊が出た事例(いまさら翼といわれても)があるように気長に待てばいつか続きが出るでしょう。

 

その前にアニメ2期とか放映されそうですけどね!

 

今後も書きたいことが増えたら随時追記していきますので、よろしくお願いします。

長文でしたが、読んでいただきありがとうございました!

 

アニメ版『氷菓』を無料で視聴する方法

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「原作小説もいいけどアニメ版が見たい!」という方は『dアニメストア』での視聴がおすすめです。というより他に見放題で『氷菓』を配信しているサイトが無いんですよね…

当サイトの検索にも「アニポ」とかありますけど、それ違法視聴ですから!

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